ことり通信

地域ならではのすてきなものや旅のことをつらつらと

ほぼ初めての海外は女香港一人旅(帰国後編)

7月12日に3泊4日の香港一人旅から帰国し、2週間がたちました。ここでは、小学生時分のハワイ家族旅行以来、海外に女一人で行った私の反省点や今後改善したいことなどをまとめていきます。

海外一人旅デビューしたい方(特に女性)、香港へ旅に行こうと計画されている方、旅をもっと楽しみたいと思っている方などの参考にして頂けたら嬉しいです。

 

海外へ一人旅!なら、もっとやっておけばよかったこと

  • 「ありがとう」「ごめんなさい」最低限の現地語をおぼえていけばよかった&英語力を上げていけばよかった

色々な旅人がおっしゃっていることですが、現地の方が使う言葉が話せるとコミュニケーションがスムーズで気持ちいいです。一言だけでも使えると、それだけで距離が縮まるし、相手は好感を持ってくれると思います。私は大学の第二外国語で中国語を専攻していたのですが、覚えていたのは「私は学生です。/ですか?」の一言だけでした。それでも、現地の友人に披露?すると彼女はとても喜んでくれました。英語が公用語の香港でも、ローカルな食堂や商店などでは英語は通じませんでした。接客してくれる相手も困っている様子でしたし、「ありがとう」「すみません」の一言だけでも言えれば、もっと良い関係が築けて楽しい時間を過ごせただろうな、と思います。

一方で、空港や駅、チェーン展開されている飲食店などでは英語が話せるスタッフがいました。やはり現状では英語が話せる・話せないで、海外へ行くときの安心感がまるで違います。私を含めた日本人は、読み書きはある程度できるとされていますが、話す・聞くことに苦手意識の強い方が多いと思います。でも、旅先で使うのは、話すことと・聞くことなんですよね。

私は極力便利なものに頼らず、自分の力を知ろうと(無謀にも)何の準備もなく旅立ったので、空港のスタッフの滑らかな英語は聞き取るのがやっと、言いたいこともなかなか言えず、苦い思いをしました。いざという時のためにも、外国人労働者の方が当たり前となった昨今、相互理解を進めるためにも、日ごろから英語に慣れ親しんでおくことが必須になっているような気がします。

  英語と中国語の看板が入り混じるSOHOエリア。下町や路地裏に行くと、景色が一変するのが香港。

 

そこまでしたくない方や心配な方は、翻訳アプリや専用の機器を用意して、使いこなせるようにしておくのも1つの方法です。私の場合、お世話になった格安ホテルで、親切なスタッフに勧められて2日目からグーグル翻訳アプリをダウンロードしてみたのですが、「書かれた文字にカメラを向けると翻訳する」という機能を使っても翻訳してくれないので、結局使わないという経験をしました。

後から分かったのは、中国語の漢字には、香港など使われている「繁体」と、本土などで使う「簡体」という2つの種類があるということでした。アプリの設定は中国語の簡体になっていたため、うまく機能しなかったようです。旅に出てしまうと、刺激的な時間に気をとられて冷静になれなかったり、欲張って動き回って疲れ果てることが結構あると思います。自戒をこめてですが、便利な機器を使う時は使いこなせるまで準備をしていくことがポイントですね。

     香港で使われている「繁体」は、「簡体」の設定では翻訳してくれませんでした。

 

  • 旅先の歴史や産業構造などをもっと調べていけばよかった

旅の濃度が変わると思います。同じものを見ても、どういった歴史を経て今があるのかと思いをはせることができると、有意義な時間になりますし、思い入れも全く異なるものになると感じます。私が訪れた香港は、東京都の半分ほどの面積に約750万人の方が住んでいるそうですが、中国の一国二制度の下にあるとはいえ、この小さな面積に東京と変わらないような国際都市ができているのがとても不思議で、もっと勉強しておけばよかったと思いました。

現地の友人との会話でも、「香港では家族一緒にご飯を食べることはない」という言葉に、人口の何割がどんな形態でどんな仕事についているのか疑問に思いました。個人差はあると思いますが、街の建築物やお土産を見る時に、その値段・その場所で売られている理由をあれこれ考えられたら、もっと楽しいだろうなと私は感じました。

             旺角エリアの一角には金魚屋が立ち並んでいました。

 

 個人的な心残り 

香港公園内の茶具文物館横にあったティーサロンに入るか迷いましたが、他にも見たいものがあったため断念。その後もやはり中国茶を飲みたい思いが消えず、行く先々で機会をうかがいましたが、思うような場所に巡り合わず成就しないまま帰国。行ってみてから芽生えた欲求だったのですが、今後ぜひ叶えたいと思っています。

  • 九龍半島旺角エリアのバード・ガーデン訪問

同上ですが、行ってみてから欲求がどんどん強まりました。蓮華宮、香港公園で見慣れない小鳥に出会ったことも重なり、愛鳥家が集まる園に足を踏み入れようと気持ちは固まったのですが、スコールにあったことなどから断念。

  • 劇場で観劇をしたかった

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    北角エリアにあった劇場。日本では感じられない圧倒的な雰囲気がありました。
  • フレッシュなフルーツを使った飲み物やスイーツをもっと食べたかった

通りを歩いていると、よくフルーツジュースのテイクアウト専門店を目にしましたし、八百屋でも多種多様なフルーツが売られていました。「日本よりも身近にフルーツをとる文化があるんだなぁ」と感心したのですが、小食な体質も手伝って現地では食べたいとは思いませんでした。帰国便を前に、「なんだかおいしそうだった」と気が付きましたが、後の祭りです。

  • ミニバスに乗ってみたかった

香港では、都会的な2階建てのバスと、日本でデマンドバスに使われるマイクロバス(これがミニバス!)の2種類が走っていました。ミニバスはその機敏性で、2階建てバスが通らない道をカバーする、地元っ子の足として機能しているのですが、乗降時は広東語で叫ばないとならず、一見さんにはハードルが高いです。だからこそ、余計に魅力的でした。次訪れる時は、広東語を勉強して乗りたい!と思っています。

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初めて乗った2階建てバス。クーラーが効き快適そのもの。内装も外装もぴかぴかです。

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一番右側の車線に止まっているのがミニバス。かわいらしいフォルムにも惹かれます。


一人で海外へ行って分かったこといろいろ

  • 自分自身のことを改めて知る&意外な自分を知る

 お茶を味わう時間、自然にふれること、寺社仏閣や教会などの歴史的建築物が好き、という自分を改めて知らされました。刺激だらけな上に分からないものに囲まれるので、旅では普段より五感がさえわたると感じるのは、私だけではないのでは。旅に行くと、直感や欲求に敏感になると感じませんか?私が旅を好きなのは、これが大きいと思います。

人やガイドブックにお勧めされるものを受け入れる素直さはもちつつも、「体が欲している!」と思ったものがあればそれに従うのが、自分らしい旅になる気がします。茶具資料館も公園も、香港に着いてからひらめいた場所でしたが、今思い返しても顔がほころびます。

反対に、食の優先順位が自分の中で低いことも再確認しました。中華料理は楽しみの1つと考えていたのですが、現地に行くと、上記にあげた好きなことに興味がいって、食事は後回しにしていました。自分でも呆れますが、現地の友人がセッティングしてくれた専門店の飲茶ではなく、出店でテイクアウトして食べた豚肉とナッツ入りのお粥が、最もおいしく感じた食事です。

一人旅なら自分が心惹かれたものに素直に動いて、有益な時間を過ごせると、忘れられない思い出になるなぁと実感しています。

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香港公園の池には、子供一人は乗れそうな蓮がぷかぷかと浮いていました。

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茶具文物館では、お茶や陶器の歴史を心行くまで堪能しました。


                 大坑で訪れた蓮華宮の入口

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中環エリアにあるセント・ジョンズ教会。日本軍占領時代、日本に抵抗した戦死者が祀られています。


また、旅に行くといつも乗り物に興味をひかれるのは、人の営みに触れられる手段と感じているためだということが分かりました。ローカルであるほど、町に暮らす人の様子が分かりますし、同じ目線に立てるのが魅力です。香港のトラム(2階建て路面電車)は純粋に乗り物としても楽しいです。

        香港最後に乗ったトラム。2階最前列から見る景色がたまりません。

 

意外な自分についてですが、これまでの私の旅は、事前にスケジュールをがちがちに固めていくものばかりでした。心配性ですし、とにかく効率よく動きたいという貧乏性な気質のためです。今回は、それを初めてやらない旅だったと記憶しています。ほぼ初めての海外でそれを・・・と呆れる自分もいるのですが、そうでもしないと動けない超心配性かつ優柔不断なのが私です。

実際に行って、その時々で決めて動くというのはひやひやするものもありましたが、自分に正直に動ける分、心が楽だなと感じました。本当に何の下調べをせず気の向くままに動くのは、海外初心者には危ないためできませんでしたが、いつかはやってみたい旅のスタイルです。

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観光の定番地には人だかりが待っています。人混みが不得手なことも再確認した1つです。


今回はいくつか目当てをゆるく考えておいて、その日の朝に決めるという形で行動しました。そうすることで、自分では分からないことが出てきたら積極的に人に尋ねたり、細かいことを気にしなくなるようになりました(そうせざる得ない状況に自分を追い込んでいるから当然ですが)。旅に出ると色々なことを受け入れられるようになり、おおらかになります。私は心配性で神経質なのが常なので、普段の自分との差を特に感じます。

今回の旅で、予定をかっちり固めないと目の前のことに意識が向いて、その時その時を楽しめ、とにかく心がいつも元気という発見がありました。反対に、いつもの癖であれもこれもと先のことまで予定を決めて動くと、こなすことに意識がいって疲れてしまうことも再確認しました。

なんとなく自分の旅のスタイルがしっくりこない方は、普段しないことをしたり、していることをやめてみると、意外な発見があるかもしれませんね。

  • 同じものでも、市場で買った方がお得

日本でも言えることですが、観光客用の店舗と地元の方が通う店舗では、設定されている価格が違います。私はエッグタルトを比較購入してみましたが、価格は3倍の差がありました。チェーン展開しているお菓子屋では9香港ドル、市場のパン屋では3香港ドルです。味覚音痴ではないですが、味やボリュームは正直変わらないように感じました。もともと安価な商品なので、3倍といっても小さいものですが、なるべく価格は抑えたい方や、お得なものが好きな方は、地元の方が行く場所を選んで買い物するのがおすすめです。

 

  • 実用編:モバイルバッテリーが大活躍

スマホの使用は殆どグーグルマップだけでしたが、使用歴3年超えというスペック?も手伝って、電池はみるみる減っていきました。普段ライトユーザーなので必要性を感じていなかったのですが、旅先輩・ LトラベラーのRIEさんに勧められた通りに持参して本当に良かったと思いました。類似品を秋葉原やネットで比較してみましたが、容量とサイズ感、そして決め手は日本製であることから、私は「cheero Power Plus 3 13400mAhを購入しました。

 

          茶具文物館で開催されていた企画展の作品。 

 

番外編:香港国際空港を使う方にこれだけは伝えたい!(香港編4日目)

3泊4日の最終日は、9時15分発の便で帰国するのがミッションでした。そこで私は、香港1日目のドタバタ劇以上の状況を再びこの空港で起こしてしまいました。自戒と、これから香港国際空港を使う方の役に立つことがあるのなら、としたためておきます。(個人的経験に基づく見解です。)

  • 香港国際空港は広すぎ!出国審査を終えても、のんびりするのは禁物です!

私の乗った飛行機は、行きと同じ香港航空でした。行きもそうでしたが、チェックインカウンターと搭乗ゲートがとにかく離れていて遠いです!(もちろん該当しない場合もあると思います。) 私の場合は、空港の中を走る「シャトルトレイン」なる電車に乗って2駅先で降り、500メートルほどを疾走しました。(行きで、ほぼ同じルートを経験していたのですが、電車の乗降口から搭乗ゲートが更に遠かった!!です。行ってみたらほぼ一番奥に位置するゲートで、本気で乗り遅れると思いました。)

           ぎりぎりで飛び乗った香港航空の帰国便

 

成田の場合、ターミナルごとに航空会社が分かれおり、チェックイン後に出国審査をし、免税エリアで買い物をしても時間はありましたが、香港は同じことをすると危ないと感じました。搭乗ゲート番号とその場所を事前に確認できれば策はあると思うのですが、海外初心者の私は、出国審査後に初めて、自分の行くべき搭乗ゲートを知りました。そして、進む先に掲げられた案内板に、自分の行くべき「204」ゲートの番号の記載がない時は心底焦りました。「またあのシャトルトレインに乗るなら相当距離がある」との思いが脳裏をよぎり、急いで空港スタッフに尋ねました。「エレベーターを降りて×××」。インド系の彼女の英語は早すぎて最後まで聞き取れませんが、とにかくエレベーターを降りると、「204」ゲートをさす案内が見えてきました。

結局、「204」ゲートまでは、出国審査場から速足で20分はかかりました。エレベーターを3回ほど降りて、電車に2駅乗って、500メートル疾走して、やっとたどり着いた搭乗ゲート。締め切りの1分前でした。ガイドブックには「空港到着は2時間前目安」と書いてありますが、空港慣れしていない人はそれでは厳しいと感じました。言葉や流れが分からず手間取ったり、混雑していればギリギリになるなというのが使ってみた感想です。

私の場合、空港で香港ドルから日本円に両替する予定があったので、出発の2時間15分くらい前に到着しました。先客の欧米系の男性が大量の札束を両替していたため、10分以上待たされたことも、ぎりぎりの搭乗になった原因の1つです。それ以外の手続きはスムーズでした。「なんで香港航空は、空港の地名を冠につけててLCCでもないのに、こんなに遠いゲートに設定されるんだ。。」と汗だくになりながら、機内で恨み言を唱えたのは私だけでしょうか。