ことり通信

地域ならではのすてきなものや旅のことをつらつらと

ほぼ初めての海外は女香港一人旅(香港編)ー香港1日目・上ー

飛行機の中の異国

7月9日6時すぎ、成田空港内北ウェイティングエリアで目を覚ました私は、成田発9時30分香港航空611便が発つ第一ターミナルへ向かうため、第二ターミナルを7時過ぎに出る空港内バスに乗車。10分もかからずに目的の第一ターミナルへ着くと、ネットで事前予約していたグローバルWi-Fiのモバイル端末を受け取るため、出発ロビーである4階へ向かった。早朝の成田は営業時間前の店が多く、空港という華やかなイメージとは違う表情をしている。準備編で書いたように、手荷物検査にトラウマがある私は、とにかく搭乗前の手続きを早めに終えたい一心で、わき目もふらずに香港航空のチェックインカウンターに向かった。

事前にEチケットを受け取っていたので、ここでの手続きはスムーズだ。チケットを見せ、紙の搭乗券を発行してもらう。「キャリーケースを機内持ち込みにしたい」と伝えると、カウンターの女性はベルトコンベアー上になった荷物台にのせ、6.7kgという重さが計測された。この後の手続きに進めば後には戻れない。事前に購入していた朝食を足早に食べ、ペットボトルのお茶をすべて飲みほし、国際線出発口へ向かった。

「これでやっとトラウマを払拭できる」そんな気持ちで列に並んだ。荷物検査(正式には搭乗前安全検査)はあまりにもスムーズだった。腕時計の外し忘れも、液体類として一つにまとめるべきとされるジェル状のリップを入れ忘れても、何も言われずキャリーケースを開けられることもなかった。搭乗の締め切り時間とされる9時10分の20分前、私は611便の搭乗ゲート前のイスに座り、搭乗開始時刻になるのを待った。指定した座席に座り窓の外を眺めていると、出国できる安堵感でいっぱいになっている自分を感じた。

 

搭乗ゲート前から見た景色

 

予め指定していた席は、決まりの窓側だったが、通路側には先客が座っていた。機内持ち込み制限一杯のキャリーケースを持ち上げるのに苦労していると、先客の彼は何も言わずそれを頭上のトランクに入れてくれた。アジア系の顔つきではあったが、日本人ではない。「サンキュー」と笑みを浮かべながら礼を言うと、任せておけという満面の笑みが返ってきた。年は40後半から50代だろうか。離陸前から機内のあちこちをきょろきょろ見たり、乗務員に何かをたずねている。好奇心を抑えきれずにいるのが体中からにじみでている。そうかと思えば、前後の乗客にしきりに話しかけてる。言葉からすると、香港あるいは中国辺りからの、家族旅行のようだ。飾らない彼に親しみを覚えた私は、自然と話してみたいと思った。旅に出る前決めたことがいくつかあった。

疑問があったら自分だけで解決せず、人と言葉を交わすこと。相反するが、旅の技術としてスマホのテクノロジーも使ってみること。両替や現地でのカード使用など様々なお金の使い方を試すこと。現地最新情報の収集方法を会得すること(デモの報道があったので必然)。手ごろで美味しい料理や自分だけのお気に入りを見つける勘を養うこと。身の安全を確保できる方法を会得し、危険察知の感覚を養うこと。語学力のなさを痛感して今後のモチベーションにすること。そして偶然の出会いを大切に決め過ぎない旅をすることだ。これまで国内で一人旅をしてきて、少し前から旅の醍醐味が人との出会いだということを感じるようになっていた。だから、現地在住者かどうかに限らず、とにかく出会った人に話しかけてみようと思っていた。

 

隣席の彼は中国本土から来ている教師であるらしかった。お互いカタコトの英語で「なぜ日本に来たのか」「なぜ香港へ行くのか」「どこに行ったのか」「どこへ行くのか」「どこへ住んでいるのか」と、つたない英単語をつなげ、ボディランゲージを交えながら会話をした。「何か要望があれば私に言いなさい。乗務員につないであげる」。一人旅で香港へ向かうとの言葉に驚く表情をした彼は、そう目配せをしてきた。父親のような表情を浮かべる彼に、小柄な日本人の私は学生にでも映ったのかもしれない。

香港と日本のミックスのような機内食をひとしきり食べると、海外旅行ガイド本のブックの草分け『地球の歩き方 香港マカオ深圳』を取り出した。何せ出発を決めたのが10日前、海外へ出るのは小学生以来である。荷物や航空券の手配等の準備で精いっぱいで、香港で何をするかは現地の友人と食事をすること以外、空白だった。まずは香港空港に降り、ホテルに到着するまでの手段を確認した。空港からホテルのある香港島の香港駅まで直接つなぐ「MTRエアポートエクスプレス」の往復チケットを予約してあったから、空港内で迷わなければ問題ないはずだ。ただ、頭をよぎったのは国際空港である香港空港の広さだ。『地球の歩き方』に掲載された空港内マップを見る限り、かなり広いことが分かる。「後の予定はないのだから気にすることはない」という自分と、「日本とは勝手の違う場、しかもほぼ初めての海外が一人きりで大丈夫か」と不安を募らせる気持ちが混在していた。そうは言ってもとりあえず行先を決めなければどこへも向かえない。予約した格安ホテル「ホーミーインノースポイント(Homyinn|灝美連鎖式旅舍」は、香港島のあらゆる交通機関へのアクセスはいいが、中心部のやや外れに位置している。『地球の歩き方』のメイン地図にものっていない点からすると、観光スポットとされるところからは少し距離があるらしかった。

 

香港航空の機内食。サバの塩焼き定食に、パンとヨーグルトがついていた。

 

香港へ渡航経験のある友人らに聞いた場所をガイドブックで確認してみる。あまり興味をひかれない。次に日本で知り合った香港人の友人に聞いたおすすめの場所を見てみる。香港観光の定番とされる夜景スポット、下町情緒が残る街並み・シャムスイポー、香港空港があるランタオ島の漁村・大澳。初めての香港では行かないだろうと思われる漁村にひかれたが、場所と天気が気になった。亜熱帯気候に属する香港の夏は日本より湿気が高く、天気が不安定だと聞いていた。香港国際空港の気象予報によると、滞在予定である4日間のうち前半3日は雷雨マーク。現地の友人に聞いた情報では、日本より雷も雨も大したことはないというが、どの程度なのか想像がつかない。日本の雷雨といえば雷鳴が鳴り響き、稲妻があちこちでピカピカ光り、傘をさすこともはばかれる。離島である漁村に行くならフェリーを使いたかったが、雷雨の中行った所で悲惨な思いをすることは想像できた。どうせならマカオにも行ってみたいとも思っていたが、行先は天気次第で決めることにした。

唯一行くことを決めていたのが、香港島と海を隔てた九龍半島にあるチョンキンマンションだった。ネイザンロード沿いに立つこの建物は、レートのいい両替商が複数あると聞いていたし、各フロアには国際色豊かな安宿が立ち並び、混沌とした雰囲気が感じられた。香港へ行くと決めてから思い出したのが自分でもおかしかったが、海外への思いを膨らませた『深夜特急』で、沢木耕太郎が最初に降り立った場所が香港であり、彼が拠点としたのがネイザンロード付近だった。今も当時の香港の雰囲気を感じられるのではないかという淡い期待があった。

あれこれページをめくっていると、隣席の彼がガイドブックを貸してと言ってくる。「旺角」というエリアを開いて、「ここは良かった。行くべきだ」と言っている。見ると、そこは手頃な値段で食品や雑貨など、あらゆる物が手に入れられる商店街が立ち並ぶ活気ある街とある。香港の昔ながらのイメージがまだそこにはまだあるのだろうか。旺角、チョンキンマンション、シャムスイポー、そして大澳。香港という漠然としたイメージが、一つ一つ輪郭として見えてきた。

ほぼ初めての海外は女香港一人旅(準備編)

2019年7月9日から12日まで、香港に行ってきました。タイトルの通り、私にとってこの旅は、20数年前の子ども時代、家族でハワイに行った以来の海外旅行でした。国内では一人旅が普通の私にとって、それが海外であれいつもと同じスタイルで旅をすることは自然の流れ。ということで、ほぼ初めてゆえの海外一人珍道旅の記録を残します。

f:id:n_kotori:20190722154559j:plain


一人で海外へ行きたいけれど不安な人(特に女性)、香港への旅を計画している人、旅の話が好きな人など、誰かに少しでも役にたつことがあったらとの思いと、自分の備忘録も兼ねて。

 

香港に決めたのは、そこそこ安い・食事が合いそう・デモの報道があったから

こんな動機は色々な方からお叱りの声を受けそうですが、香港へ旅に行ったのは、最初に「海外一人旅をする」ことがあり、行先がたまたま香港だったという流れでした。

私は7月6日まで、TABIPPOという若者の海外旅行を後押しする会社が運営する「旅大学」の中の「世界一周ゼミ」に参加していました。世界一周ゼミはその名の通り、世界一周を夢見る人達が集まって情報交換する場です。全4回あったゼミで、旅の技術や世界一周を経験したゲストの話などを聞きつつ、自分にとっての旅や幸せが何かを考える機会も設けられました。そして最終日には、参加者がゼミを通して考えた世界一周のプランや、各自にとっての旅論などを発表しあいました。

 

その日までに私が考え、決めたことの1つが香港へ一人旅をするということでした。世界一周ゼミに参加しながらも、海外への不安で動けない自分がいる、それならとりあえずどこか海外へ行ってみよう。ならば安くて、近い所がいい。治安は問題ないけれど、どこか混沌とした空気感もあるところ。タイ、台湾、韓国が浮かんだ中、ふと、しきりにデモのニュースが報じられている香港はどうだろうとの思いがわきました。タイも韓国も料理が合わないし、台湾は日本の観光客に慣れすぎていそう・・・

一国二制度という日本にはない政治体制で人はどんな風に暮らしているのか、何を思っているのか。デモに参加する人の熱量は。6月末、HISがしきりに最終バーゲンをうたっていたのも重なり、一気に海外への思いを熱くした私は、世間が夏休みに入る前の時期に香港へ行くことを決めました。

 香港航空の機体尾翼と沖縄の離島。飛行機から陸地が見える時のワクワク感ってなんなんでしょう。

 

エクスペディアで航空券とホテルのセット(38408円)を申し込む

できるだけ安く費用を抑えたいと考え、まずHISのバーゲンを見てみました。が、安いのはタイのバンコクや台湾。あるいは8月以降など、私が考えているよりもっと先の時期ばかりで、こちらの要望と合致しません。トラベルコやトラベル.JPなど、ツアー旅行系の比較サイトで完全フリープランのものはどうかと検討しましたが、よく見ると「燃油サーチャージや空港使用料が別にかかる」との記載があり、格安航空券と宿を直接手配するのが安いのでは、との結論になりました。

 

そこで次にスカイスキャナーなどの航空券の比較サイトをチェック。確かにいわゆるLCCも検索されるのですが、私が行きたい時期はフルキャリアと呼ばれる航空会社とLCCで値段が変わりません。LCCを使った経験がない私は、その真偽を確かめるため、日本~香港間を飛ぶLCCのサイトも直接確認しましたが、やはり結果は同じでした。

 

それなら、航空券と宿をセットにしたプランが一番安いだろうと考えた末に行きついたのがエクスペディアです。結果は大正解。往復航空券34010円、3泊の格安ホテル代4398円、MTRエアポートエクスプレス往復運賃2226円(全て税込)で手配することができました。ホテルのグレードや手配時期など求めるものによって合う合わないはあると思いますが、宿もいくつかの候補から選べて、航空券に付随する諸税やサービス料も含まれた価格が表示されている点、総合的に考えて私はエクスペディアで良かったと思っています。

(とは言っても、最終的な通知ページに、料金の内訳が「小計」と「税およびサービス税」としか出ないのは「本当に航空券関連の追加料金はかからないのか」と不安になりました。カスタマーセンターに問い合わせても「航空券とホテル代の内訳は答えられませんが、オプションは全て税込です」との言葉だけ。後日クレジット会社からの請求で「航空券代とそれ以外の料金」が明細として表示されていて、やっと安堵できました。懇切丁寧な日本式サービスとの違いを出発前から感じることとなりました。)

 

ほぼ初めての海外に、不安がありすぎた私の解決策とその結果

小学生の家族旅行以来の海外、しかも一人旅!ということで、出発まで様々な不安がありました。

1.無事、飛行機に乗り出国できるのか。

基本中の基本ですが、国際便なので搭乗や入国時の手続きが国内より複雑です。そして、国内便さえ2、3回しか経験がない身としてはその壁はあまりに高く感じました。というのも、前回国内便で飛行機に乗った際に危うく乗り遅れそうになった経験があり、もはやトラウマ化していたからです。詳しくは別の記事で書く予定ですが、手荷物検査に思いのほか時間がかかった結果、CAの方にターミナル内でフルネームを叫ばれ、あげく搭乗ゲートが締め切られた(と思われ、)バスでピックアップされる経験をしたことがあります。「国際線で同じことになったら、今度は容赦なく置いて行かれるのでは・・」と思うと不安で仕方ありませんでした。

 

!解決策!

空港に早すぎる位に到着する、という当たり前すぎる方法をとることにしました。とにかく飛行機に乗るまで心配で仕方がなかったので、行きは成田空港に前泊する体制をとりました。これで、空港に着く前の電車遅延などの心配もありません。

 

◇結果◇

大正解でした。朝起きられるかという別の心配がでてくる始末でしたが、無事に目も覚め、時間内に搭乗することができました。懸念していた手荷物検査も、液体の持ち込み方法や重量など、入念に調べていたためか何の問題もなくあっさりスル―。荷物はすべて機内持ち込みにしたので、液体類はいつでも取り出せるよう、塗り薬・リップ・化粧水など1つにまとめて待ち構えていましたが、取り出している人は皆無。乗り慣れている方からしたら笑われそうですが、正直拍子抜けでした。

成田空港のチェックインカウンター。この先が心配で仕方なかったんです・・・

2.モバイルWi-Fiをレンタル?現地Wi-Fi?フリーSIM?ネットはどうする?問題

普段格安スマホを使い、ライトユーザーの身からすると、短期の海外旅行ではモバイルWi-Fiをレンタルすることが一般的とされていても、そのためだけに費用をかけることが正直もったいなく感じました。香港へ行った方の経験談を読むと、町中にフリーWi-Fiがあり、たいていのホテルにも完備されているとのこと。実際私の宿泊予定だった格安ホテルでも、ロビーに限らず各部屋で問題なくWi-Fiが使えるとの口コミがあり、ぎりぎりまで悩みました。旅慣れた方は現地でSIMカードを購入して対応するとも聞いてましたが、「短期ならむしろ割高になることもある」と聞き除外。その方面はあまり得意ではない上、出発まで時間がなかったのも大きかったです。

 

ひとまず、旅大学でゲスト登壇された世界一周経験者・LトラベラーのRIEさんらの助言により、レンタルWi-Fiの「イモトのWi-Fi」と「グローバルWi-Fi」の2社で見積もりをとってみたところ、香港は4日間(速度・容量ともに最小プラン)で4000円程することが判明。格安スマホで毎月3000円前後しか払ってない立場では正直、躊躇しました。不安なのは交通機関の乗り継ぎでしたが、香港は切れ目なく地下鉄や路面電車、バスが走っていることは事前に調べていました。それならフリーWi-Fiで乗り切れるかもしれない。むしろネットのない旅も非日常でいいかもしれない。心は揺れました。

 

!解決策!

様々な旅の先輩方のブログから情報収集していると、サイト内の広告経由で割引になるキャンペーンがあることが分かってきました。イモトのWi-Fiは500円オフ、グローバルWi-Fiは5%オフ。(私はRIEさんの記事  料金シミュレーション済!海外旅行におすすめのレンタルWifi | Lトラベラーからキャンペーンを使いました。)また、よくよく公式サイトを見ていると、グローバルWi-Fiは期間限定で通信料が20%オフになるキャンペーン中であることも分かりました。

 

◇結果◇

広告経由の5%+キャンペーン期間の20%オフを使い、3980円が2546円まで安くなったので、グローバルWi-Fiをレンタルすることにしました(安心補償パックは、別に加入した海外旅行保険の「たびほ」で賄えることが分かったので、外しました)。

行ってみて一番使ったのは、やはり地図を含めた移動手段の情報調べでした。香港は交通網が発達していますが、バスやトラムなどローカルな交通機関を使いこなすのに、グーグルマップはとても役立ちました。トラムなどは専用サイトもあるのですが、私は正確な時間を気にする必要も特になく、あらゆる交通機関が朝5時すぎから深夜1時ころまで動いていたので、グーグルだけで事足りました。

空港で渡されたモバイルWi-Fiセット一式。コンセントの変換アダプター入りでした。

 

地理や言語に強い方、旅慣れた方や非日常を楽しみたい方などは、いざとなれば町中にフリーWi-Fiも飛んでいたので、香港ならなくても過ごせてしまうのではないでしょうか。使用頻度は少なかったですが、途中でダウンロードしたグーグル翻訳アプリは「いざとなったらこれがある」と思えて心強かったです。

 

3.両替は?カード払い?現地での支払い問題

一番未知の領域でした。なにせ、子供の頃ハワイに行った際は親任せです。まるっきり初めての経験なので、とにかくネットで情報収集&海外旅行へ行った友人らに生の情報を求めました。一般的に言うと現金は最低限しか持ち歩かず、あとはクレジットカード払いということは聞いていましたし、友人らもそうしていました。普段現金派の私はそれも少し抵抗がありましたが、背に腹は代えられません(大袈裟ですが、本人至って真剣)。

 

あとは両替問題ですが、今は現地のATMで現地通貨を引き出すという方法があることを知りました!これもつまりはクレジットカードのキャッシング機能(つまり借金)、あるいはデビットカード、国際キャッシュカードなどを使わなければなりません。私の手持ちは即日発行で有名な年会費無料のクレジットカード、「一枚くらい持っておくか」と作った通販サイトのデビットカードのみ。10日後に出発日を設定した人間にこれ以上カードを作る猶予はありません。カードで現地通貨を引き出すのは確かに煩わしさもなく良いことばかりに思えました。ただ、キャッシングは借金である以上利息が付きます。そしてネット上では、海外のATMでカードが戻ってこない、スキミングの被害にあうなどネガティブな情報があふれていました・・・

 

!解決策!

スキミングの手口やキャッシングの繰り上げ返済などの情報を得て、とりあえず空港で最低限の現金をATMで引き出すことにしました。スキミング加工がされやすいATMを避けるため、銀行内や警備員がいるなどセキュリティー面が担保されている場所を選んだ結果、まず空港内で有人のATMを使って試すという一つの結論に(もちろん海外でのATM操作画面も下調べして)。そして、町中の両替商も使うことで旅の醍醐味を味わいつつ、レートを比較してみようと考えました。

 

◇結果◇

空港内ATM でクレジットカードを使い(JCB系列のデビットカードは非対応でし た。)、800香港ドル分出金した現地通貨は(ホテルのデポジット用に多めに引き出しました。)、帰国後確認したカード会社の明細によると、元金11165円、利息16円とあったので、利息をひいた純粋なレートは0.07165香港ドル/円≒約13.956円/香港ドルでした。

一方、香港を良く知る旅大学で知り合った方に教わったように、町中の両替商で5000円分を両替した際は、361.80香港ドルを受けとったので、レートは0.07236香港ドル/円≒約13.819円/香港ドル。旅人のバイブル「地球の歩き方」おすすめのチョンキンマンションにある数多くのインド系両替商のレートを見比べ、恐る恐る(表面上はあくまで堂々と)試してみました。

f:id:n_kotori:20190722161634j:plain

チョンキンマンションにあまたある両替商。レートの良さからここを選びました。

 

旅の先輩が言うように手数料がなく、レートも空港より良かったので、いわゆるぼったりに合わないよう両替の紙幣が渡されたらその場で確認する(そのために現地の通貨に慣れておく)、違ったら臆せず言う、現金はすぐにしまう、などに気をつけながら使ってみると、海外旅行初心者の方は一つ壁を超えた感覚になれると思います。ただし、私のように少額の方はあまり差を感じられないので、とにかく両替の回数を減らすのが一番いいのかもしれません。

 

最後に出国前、時間の節約も兼ねて、レートが悪いと聞いていた空港内の両替窓口も使ってみました。ここでは逆に香港ドルから日本円に両替。464.34香港ドルが6000円に戻ってきたので、レートは0.07739香港ドル/円=12.922円/香港ドル。一見いいレートに見えましたが、日本円に戻す両替なので、数字は逆にとらえる必要があります。他と比べていないので何とも言えませんが・・・曖昧な記憶では、やはりチョンキンマンションのレートの方が良かったと思いますし、思わぬハプニングもあるので(香港編最終日に書きます)、時間のある方は町中の両替商で替えてしまった方がいいように感じました。

 

4.貴重品管理問題!防犯のために購入したのはセキュリティポーチ・南京錠・ワイヤー

どれだけ心配が尽きないのか、と自分でも突っ込みたくなりますが、最重要ポイントだと思っています。特に女一人旅なので、用心しすぎることはないのではないのか、と調べ尽くしました。

 

!解決策!

基本である分散管理を徹底しました。現金、カード共に複数箇に分けて持ち歩き、貴重品は人目にふれないようにすること。具体的にはアマゾンでスキミング対策可能なセキュリティポーチ「LiberFlyer セキュリポを購入し、メインの貴重品管理に使用。日本円・香港ドル・パスポート・クレジットカードを入れて、就寝時も入浴時も24時間肌身離さず腰に巻き(入浴中はシャワールームに持ち込み)、洋服で上から隠していました。

他に無印良品で購入した小物入れに、香港版Suicaであるオクトパスカード・日本円を入れ、伸縮型ストラップでショルダーバックのチャックとつなげた上でバックの中にしまっていました。さらにチャック部分と小物入れ自体のチャックに鈴をつけ、開閉するたび音がするようにしていました。3点目はパスポートと個人情報を記したメモ書き・日本円を、社員証などを入れるストラップケースに入れて首から下げ、服の下に隠していました。


 

取り出す機会の多い、オクトパスが入った小物入れは、カバンとストラップでつなげた上に鈴をつけて。

 

また、デジカメは場合によってリュックの中に入れることを考え(ショルダーバックに入らない合羽・折りたたみ傘・羽織り・薬や裁縫道具・飲み物・おかしを入れていました。)、チャックにはいつも南京錠をかけていました。デジカメ以外は盗まれてもダメージが少ないものなので、この南京錠はあえて百均のものを使ってみました。また、スマホも無印の小物入れ同様に、伸縮型ストラップをつけていつもショルダーバックとつながっているようにしました。

今回泊まった格安ホテルは女性限定2人用ドミトリーだったので、常時部屋に置いていたソフトキャリーケースにも南京錠をかけました。こちらはアマゾンで購入した4桁の暗証番号タイプ「サンワサプライ SLE-5L eセキュリティ(ダイヤル錠小)」。アメリカ旅行必携で、流通の多いTSA対応型も検討しましたが、「マスターキーが出回っている」という真偽不明ながら本当だったら恐ろしい情報を目にしたので、あえて非対応型のものにしました。そのうえで、やはりアマゾンで購入した4桁暗証番号タイプのワイヤー「サンワサプライ eセキュリティ(ワイヤーリール式ダイヤル錠) SLE-11LNでぐるぐる巻きにして家具などと固定し、荷物ごと持っていけないようにすることにしました。

 

 ◇結果◇

夜10時頃まで出歩いていることもありましたが(ただし観光客が多く集まるような明るい場所や大通りのみ)、危ない目にあったり危険を感じることはありませんでした。夜は行かない方がいいとされる地域も昼間に歩いてみましたが、平日の午前中だったせいか人もまばらでした。

デジカメは時間帯や歩くエリアによって、リュックにしまったり外に出したりを区別していました。夜8時以降に歩いたり昼でも裏路地を歩く時はしまうことにしていたのですが、実際には時間がたつにつれてこの自分ルールを破ることもありました。それでも危ない目に合わなかったのは、ただ運が良かっただけかもしれませんし、私が主に散策したのが香港島の中心部をメインとしていたからかもしれません。絶対はないし日本以上に安全な場所はないと思うので、海外ではいつも気を抜かずにいることが大切だとやはり思います。

 

一点予想外だったのが、ホテルでは暗証番号タイプのワイヤーがほぼ役にたたなかったことです。ホテルの家具やドアを抑えるストッパーなど、固定できるものが何一つとしてありませんでした。

仕方がないので、寝る時はカメラをキャリーケースに入れて南京錠をし、形だけでもとワイヤーをかけておきました。あとは同室となった中国の女の子に前のめり気味に話しかけ、友情を育むよう努めました。ひどいケースではホテルのスタッフが盗むとも聞いたことがあったので(香港ではないかもしれませんが)、ホテルのスタッフにも自分では信じられないくらい話かけました。「スタッフの対応がいい」という口コミを一つの基準に選んだホテルだったので、一応の信用はおいていたのですが、話してみたらそんな心配は全く不要。日本語を話せる若い女性スタッフには、終始旅の相談にのってもらいました。AKBファンで日本好きという彼女の名前や連絡先を聞けなかったことが、心残りなほどです。

 

成田空港内前泊は、24時間OKの第2・第3ターミナル間の北ウェイティングエリア

前出したように、「出国の飛行機に無事乗れるか心配」対策として、私は空港に前泊することを決めました。LCCの発達で「空港内に泊まる人が結構いるらしい」との情報は聞いていたので、ネットで情報収集すると、すぐに「北ウェイティングエリア」というキーワードが出てきました。

実際に使用された方の詳細なブログを読むと、16畳ほどの畳スペースで横になれたり、トイレ、充電用コンセントも完備されている模様。場所はこちら↓

www.narita-airport.jp

を見ても、行ったことのない人間にはよくわからなかったのですが、「とにかく第2ターミナル1階から近そう」という結論に。

香港へ発つ便は第1ターミナルでしたが、とにかく安くしっかり眠れる場所を確保したかったのと、未経験の秘密の?場所に興味をひかれたので、近くのカプセルホテルなどは予約せず、無料で使えるありがたいスペースで一夜を過ごすことにしました。場所がやはりわかりにくかったので、写真でご紹介します。

 まずは第2ターミナル1階を第3ターミナル方向に進み、外に出ます(ここが重要!)。

 

第3ターミナルへ続く青いラインに従い、通路を5分程?(記憶が曖昧ですが思ったより遠かったです)進みます。

本当にあるの?と心配になってきたあたりで、通路の壁の途切れた場所が出てきたら、右方向を見ましょう!

右手奥まった場所に「北ウェイティングエリア」が建っています!

 

夜行くと、周囲も暗くはっきりした案内板はないので見落とすことが多いと思います。成田空港のサイトを見ると、第2ターミナルの建物内を通って行けるのかと思ったのですが、私が見た限りでは、できないようでした。一度外にでて、「本当にあるのかなぁ」と不安になってきた頃、遠慮がちに大きなプレハブ状の建物が表れます。できれば大きな声で知らせないでほしいな、という感じのひっそりとした佇みです。

ちなみに、建物内にパンやお菓子、飲み物類の自販機はありますが、食事をしたい方は第2ターミナル内のコンビニや吉野家で購入されることをお勧めします。夜10時過ぎに着いた時は、寝床は十分確保できましたが、食事をしてる方は皆無でした。

 

ここでも事前に購入した、南京錠とワイヤーを使って防犯対策をしました。この時、ワイヤーは寝床としたクッション性の大き目イス(適切な単語がわかりません)の脚にかけることができ、十分に期待通りの役割を果たしてくれました・・・   

 寝床となってくれた大きなイス。左側の一般的な背もたれつきのイスに頭をのせて寝ると、ぴったりなサイズ感でした。建物全体は24時間灯りがついていますので、気になる方はアイマスクなどを。

  

長い準備編になってしまいました。。

次の記事でやっと香港へ向かいます。旅はこれから。香港編へつづく・・・

旅のかたちは人それぞれ〈続編〉人生でやりたいことリスト100

人生でやりたいことリスト100 ※画像なし※

今回は前回、旅大学の世界一周ゼミで出された課題「人生でやりたいことリスト100」についてひたすら書こうと思います。

誰かに見せるためよりは、旅大学の課題としてメンバーに共有するためであり、自分のための要素が満載です。

それでも、これを見た誰かが行動を起こすきっかけになったり、何かの役にたつことがあれば幸いです。

では、世界一周ゼミ参加者の方のカテゴライズが見事だったので、その方にならって書き出してみます。

①旅編
1、ヒマラヤ山脈でトレッキングする
2、キリマンジャロ登頂
3、各国で慕われている山に登る
4、ブータンで幸せを考える
5、イギリスで自然保護の考えにふれる
6、イタリアのアルベロベッロ訪問
7、リオのカーニバルを楽しむ
8、オランダ人と友人になり、考え方にふれる
9、アルゼンチンタンゴを本場で体験する
10、南極におりたつ
11、チリでパタゴニアを歩き、日本移民の歴史にふれる
12、北極圏一周
13、アウシュビッツへ行く
14、ベルリンの壁を訪れる
15、ドイツでフットケア体験
16、ドイツで森林セラピー体験
17、イラン訪問
18、トルコのパムッカレで温泉に入る
19、トリニダードトバゴでスチールパンにふれる
20、キューバにふれる
21、アラスカで星野道夫追体験
22、南米大陸ぐるり
23、コスタリカで環境問題を考える
24、イグアスの滝をみる
25、ウィンブルドン観戦
26、海外で活躍するアスリートを現地で応援する
27、ブロードウェイで観劇
28、ロンドンで観劇
29、ヨーロッパでオペラ鑑賞
30、ヨーロッパでバレエ鑑賞
31、イスラエル訪問
32、アフリカで砂漠探索
33、アフリカで現地の民族と交流する
34、アフリカで野生動物にふれる
35、アフリカで異文化を痛感する
36、世界各地に友人を作りながら、茶道で交流する
37、天山山脈を見ながら鉄道に乗る
38、カンボジアで地雷の歴史にふれる
39、香港で時代の渦を感じる
40、パプアニューギニアへ行く
41、小さな島国へ行く
42、知床で自然にふれる
43、高野山熊野古道で信仰や宗教にふれる
44、カヤックで移動する旅
45、アイヌ文化にふれる
46、なまはげに会いに行く
47、日本の小さな島々へ行く
48、北海道をバイクか自転車で一周する


②趣味編(主目的が趣味かつ単発の旅含む)
49 マッターホルン登頂
50 国内の山々に登る
51 遺跡修復のボランティアをする
52 フットケアを学んでボランティアor副業とする
53 森林セラピーを学んで人と共有する
54 訪日外国人向けのガイドをして日本を俯瞰する
55 収納を学び人に役立てる
56 相撲観戦
57 体操競技観戦
58 冬季オリンピックでジャンプ観戦
59 冬季オリンピックでスケルトン観戦
60 フィギュアスケート観戦
61 100メートル走の世界一を体感する
62 ときどき空を飛ぶ
63 身体構造を学び、しなやかな体でいる
64 本を読み見聞を広げ続ける
65 弓道を始める
66 書道を習う
67 歌を上達させて自己表現
68 タップ?講演?高座?人前で表現活動をする
69 バク転習得
70 スノーボードでジャンプする
71 マリンバ?トランペット?ピアノ?楽器を習得
72 ダンスを習う
73 格闘技を身につけ護身にそなえる
74 DIYスキルを身につけ生活を楽しむ
75 キャンプを日常にしてサバイバル力をつける
76 防災士資格をとり、防災意識の向上
77 さだまさし中島みゆきのコンサートで奥行きにふれる


③将来編
78 語学を習得して海外の方と交流・仕事する
79 設計段階から関わり自宅を建てる
80 ハンモックのある暮らしをする
81 人と人・場・ことをつないで、人が生き生きする社会づくりをする
82 キャリアコンサルタント資格をいかし人を応援
83 ライターとして情報発信する
84 言葉で市井の人の暮らしや思いを伝え残す
85 小松成美さんにインタビューする
86 投資の余剰金で社会貢献活動に寄与
87 投資を含めて年収4桁
88 パートナーと暮らす
89 本を出版する
90 人を育てる
91 ラジオにゲスト出演する
92 畑・手仕事を覚え地に足のついた暮らしをする
93 生涯学び続け、目標をもった人生をおくる
94 親や親戚に恩返しする
95 取捨選択された物に囲まれた生活を送る
96 年を重ねる毎に運動で自己ベストな体を作る
97 NPOなどで地方活性化・地域づくりに貢献する
98 やりたいことをやり思いを伝えることで、自分を表現する
99 同志のいる人生を送る
100 行きたい時に行きたい所へ行け、住みたい時に住みたい場所へ住める生き方をする


初めは30個ほどで筆が止まりましたが、行きたい国やそこでなにをやりたいかを細かく分けることで、100個書き出すことができました。
それでも、どこかで制限をかけている自分が言葉にすることをためらったりしている気がします。これが本当の本心かというとまだ確信がもてません。
中には、昔はやりたかったけれど今はそうでもないので書かなかったこともありました。

人は変わっていくものなので、また気持ちが変わったり、時間がたったら見返していこうと思います。

ここまで読んでくださった奇特な方、どうもありがとうございました。

旅のかたちは人それぞれ

旅大学に参加してきました

6月9日、TABIPPO.NET [タビッポ]さん主催の旅大学
tabi-daigaku.jp
に参加してきました。
TABIPPOさんは、全員が世界一周経験者のメンバーが学生時代に立ち上げた、旅に関するさまざまな情報を発信する団体(現在は株式会社)です。

旅大学はTABIPPOさんの事業の1つで、対面式の旅イベントを各地で行っています。
1つの国についてひたすら熱く語り合う単発ものや、今回私が参加した「世界一周ゼミ」なる連載もの(全4回)など、内容は多種多様。
共通するのは、どのイベントも旅好き人間の興味をひく仕掛けが随所にちりばめられている点。

今日は、初めてTABIPPOさん・旅大学の空気にふれてきた私の感想とイベントの内容をお伝えします。

世界一周ゼミは、ゼミでした

上限30名の世界一周ゼミは、募集時点のイベント詳細
tabi-daigaku.jp

で、参加型のイベントだということは何となくわかっていました。
そして、参加して早々に感じた私の率直な思いは「こんなに本当にゼミだとは・・・」です。


当日は、会場の席に着くや否や、テーブル毎に伏せん紙が配られました。
開始時間が来て早々、「ブレスト(ブレインストーミング)を始めます。」の声と共に、「自分にとって楽しいこと」のテーマと制限時間3分(あいまいな記憶ですが)が与えられました。
第一回目を欠席した上、初回である第二回目の前々日に風邪をひき、微熱でフラフラしながら参加した私には、不意打ちだったことは否めません。

フラフラする頭をむりやりグルグル回転させて書いたのが、5つ。私のいたグループは、全5名の案を合計しても30あまりでしたが、最多のグループは90近い案を出し賞品をゲットしていました。

f:id:n_kotori:20190622190419j:plain
何とか絞り出した5案です

こうして、各自で考えグループ共有→発表というやりとりが3回ほど行われた後、待ちに待った時間がやってきました。

世界一周経験者の登壇に沸く

この回は3名の世界一周経験者が登場。
皆さん、世界一周を計画している時点で知り合い、初めて顔を合わせたのは予防接種を受けに行った病院だったそうです。
旅に出てからは別々のルートを行きながらも、アイスランド滞在中は車中でずっと行動を共にし、帰国後も連絡をとりあっている間柄とのこと。
男性1名と女性2名の方でしたが、旅の話はもちろん、仲の良さが伝わってきて、その関係性にうらやましいほどのものを感じました。


f:id:n_kotori:20190622154750j:plain

恋愛の話から防犯や旅のルート、旅に出たきっかけまで、ざっくばらんに話をしてくださり、私たちの質問にももれなく答えてくれました。
皆さん、社会に出てから旅に出て、1年以上をかけて世界を回っていた方々で、素敵な表情をされていたのが印象的でした。
充実した旅をされたことがうかがえました。

終盤にはそれぞれのおすすめの国の話があり、新しい発見も共感するものもありました。
男性は「スペイン(巡礼の旅)」、女性は「イラン」と「ラダック(インド北部の地方)」。巡礼の旅もラダックも、あまり興味を持っていなかったのですが、話を聞くうちにもっと知りたいと思うようになりました。生の声に感情が揺さぶられる感覚は久しぶりのものでした。

f:id:n_kotori:20190622154731j:plain

司会のミッチーさん登場で、最後もゼミらしく

楽しい時間は瞬く間に過ぎて、最後は次回に向けての課題「人生でやりたいこと100リスト」を作る、を制限時間の中で書き出してみることに。
私は31個で手も止まり、時間一杯となりました。何度かやりたいことリストは作った経験はありますが、100個というのはなかなか難しい印象です…


f:id:n_kotori:20190622154811j:plain


課題はまた次回の記事にアップしたいと思います。
世界一周ゼミではslackというアプリを使い、毎回の課題を共有したり、おすすめの旅先や参加者の好きなことなどについて情報交換をしています。
(初回不参加&snsオンチの私は出遅れていますが…)
今回の課題もアップして、共有予定です。

ここまで読んで頂きまして、ありがとうございます。

栃木県小山市 桜をめでるおすすめ散策・お花見スポット

新年度も始まり、各地で桜の見ごろをむかえていますね。

栃木県にも桜の名所が各地にありますが、この記事ではまち歩き・散策が好きな運営人・ことりがおすすめする、県最南端・小山市の桜スポットを紹介したいと思います。

 

1.白鷗大学大行寺キャンパス東側思川桜堤 <お花見・お散歩向き>

f:id:n_kotori:20190404155934j:plain

画像出典:桜の名所『白鷗大学大行寺キャンパス東側思川桜堤(思川桜)』小山市公式ホームページ


 まずは小山市定番のお花見スポット。小山駅西口から10~15分程てくてく歩き、市を南北に流れる思川をこえれば、約80本からなる桜のトンネルが迎えてくれます。

外せないのはこの桜、小山市が原産の「思川桜」というところ。市の花にも制定されているんです。

思川桜は、昭和29年(1954年)に小山市東島田の思川のほとりにある修道院の庭先で、春秋二度咲く「十月桜」の種子を東大理学部付属植物園元主任の故久保田秀夫先生が採取し、種を蒔いて育てたところ花の様子が違っており、色が濃く花は小ぶりの突然変異でした。
この新種の桜に、修道院のそばを流れているきれいな川のイメージにぴったりとのことから「思川桜」と命名し、学会に発表されたものであり、小山市原産の名桜です。
花弁は10片ほどの半八重咲きで、春にだけ花を咲かせます。
ソメイヨシノと八重桜の中間の時期に淡い紅色の可憐な花が咲き、その枝ぶりもやわやわと優しいのが魅力です。

小山市の花、木、鳥 - 小山市ホームページ より引用


市で生まれた桜が駅からも歩いて行ける場所にこれだけあるのは、市内外の方にとっても魅力的です。例年4月初旬に咲きだして、満開はソメイヨシノの見頃が終わった4月上旬~中旬。詳しい開花状況は市が随時更新してくれています。

小山市の桜情報はこちら!(開花状況、名所など) - 小山市ホームページ

 

f:id:n_kotori:20190405113507j:plain

鮮やかなピンク色がかわいらしい思川桜

 

そしてこれらの桜は、2001年から小山市桜の里親制度によって植えられた木々なんです。市民の皆さんが購入した苗木がすくすく育って、ここまで大きくなったんですね。市内には約1910本の思川桜が植栽されていますが(2016年3月時点)、私がこの場所をおすすめするのは、植えられた時期が最も早く、一本の木が皆大きいから。

 

歩道の両側に植えられて、「桜のトンネル」状になっているために、そう感じるのかもしれませんが(^^ゞ 思川を挟んだ東側の土手沿いにも数十本の桜並木がありますが、西側のこちらは大部分が芝生・かつ所々にベンチが設置され、レジャーシートを敷いてのお花見もお散歩も、どちらもおすすめの場所です。

小さいながらお手洗いもあるので、自然を感じながら一日のんびり過ごせます。

f:id:n_kotori:20190404153504j:plain

桜のトンネルから土手を上がると、思川と桜の共演が楽しめます

f:id:n_kotori:20190405122515j:plain

思川を挟んだ東側の土手沿いに咲く思川桜(小山市役所西側思川桜堤)

場所は市の公式ホームページをご覧ください。

桜の名所 『白鷗大学大行寺キャンパス東側思川桜堤(思川桜)』 - 小山市ホームページ

 

2.思川流域堤防 <お散歩・サイクリング向き>

f:id:n_kotori:20190404171131j:plain

思川流域堤防(石ノ上橋西側付近)

次も思川桜を楽しめるコースです。こちらも思川沿いの堤防に、なんと1200本もの桜が植えられています 。1でご紹介したスポットより3キロ程南下した、石ノ上橋から始まり、さらに南の乙女大橋付近までは、ほぼ切れ目なく思川桜が植樹されています。(本数は石ノ橋より北方向の、小宅橋付近と観晃橋付近も含みます。)

 

この場所は川の両側、つまり東側でも西側でも桜を楽しむことができますが、場所によって植えられた年が様々です。おすすめは新間中橋~網戸大橋の東側。

この区間の桜は2007年に植樹され、枝ぶりも程よいです。思川桜、群生する土手沿いの菜の花、眼下に広がる田園地帯がどこまでも続き、体中で春を感じることができます。

f:id:n_kotori:20190405163208j:plain

新間中橋~網戸大橋の東側堤防(2019年3月下旬撮影のため、桜は未開花)

起点の石ノ上橋~終点の乙女大橋までは片道5.5キロあるので、徒歩で散策をするにはポイントを絞って行くのがおすすめです。運営人・ことりとしましては、サイクリングで川の両側をぐるっと一周するのが、この場所のぜいたくな楽しみ方かと思います。

往復11キロになりますが、景色を楽しみつつペダルをこぐには、ちょうどいい距離ですよね。数は少なめですが、小山市にはレンタサイクルもあります。

小山市シェアサイクル - 小山市ホームページ

f:id:n_kotori:20190405170540j:plain

 これら1200本の桜も、「桜の里親制度」によって植えられたので、一本一本に「桜の里親」となられた方々のプレートが付けられています。桜に込めた思いは、「勤続〇〇年記念」や「孫の〇歳祝い」「結婚〇年記念」など人それぞれ。こうした里親の皆さんのメッセージを読んでほっこりするのも、この場所ならではの桜の愛で方として楽しいですよね。

 

3.豊穂川沿いの桜並木 <お散歩・サイクリング・ドライブ向き>

f:id:n_kotori:20190404171549j:plain

豊穂川沿いの桜並木

こちらは思川の支流・豊穂川沿いにソメイヨシノが2キロ以上にわたって続きます。桜は川の南側に連なっていますが、北側には菜の花が群生し、訪れた人を楽しませてくれます。そしてここは、1でご紹介したスポットから徒歩圏内にあり、健脚の方とサイクリニストにはぜひ訪れてほしい散策コースです。時期が合えば、思川桜とソメイヨシノという2種類の桜をぜいたくに楽しむことができます。

 

思川の支流なので川幅は狭く、徒歩とサイクリングには川の北側の歩道をおすすめします。田園地帯を流れる川なので、一部砂利道もありますが、車は通れない幅なのでゆったりと景色を楽しむことができます(264号線~北方向へ約800メートルは車道のみです)。農家のおばあちゃんがお散歩してたり、川面でカモが羽を休めていたりと、穏やかな時間が流れます。

 

反対に川の南側はそれなりに交通量のある車道です。桜の季節になると、速度を落として車で景色を楽しむ方も多く、ドライブコースにもおすすめです。場所は市の公式ホームページをご覧ください。

桜の名所 『豊穂川沿いの桜並木(ソメイヨシノ)』 - 小山市ホームページ

 

4.光明寺の大桜 <お花見・お散歩向き>

f:id:n_kotori:20190404172201j:plain

光明寺の大桜(2019年4月2日撮影)


こちらは運営人・ことりの個人的おすすめスポット、天台宗のお寺・光明寺さんの桜です。小山駅から国道4号線を南に25分程歩くと、右手に突然一本の大桜が視界に入ってきます。本堂は少し奥まった所にあるので、最初は不思議な印象なのですが、お寺の境内に植えられていることがわかると、どっしりとした佇まいに敬意すら覚えます。

 

普段はレジャーシートを敷いてのお花見は難しいですが、4月7日にはこの大桜を囲んで畳を敷き詰め、「花まつり」が開催される予定です。

《日 時》4月7日㈰10:00~15:00頃        
《会 場》光明寺 正面の桜の下で
30帖の畳を敷き詰めて
《メ ニ ュ ー》日々更新
茶 席… 300円(菓子付き)      
御 膳… 限定50食 2000円 割烹 辰元 
デザート 飲料付き 
     予約制~メッセンジャー
コメント 電話にて
お持寄り…アルコールは持参にて 
食べ物お持ちよりOK
着 物… 着付無料(要予約) 普段着もok
男性着物体験…レンタル2000円(要予約) 
パフォーマンス…獅子舞 お琴 尺八 ほら貝
南京玉簾  花まつり   
マーケット…kimonoてふてふ 和komono§千
tarot祥泉 占いHaruooon
FarmISSI
ディスプレイ…kirakira~銀の八角堂~特別公開
バルーンart masira
《駐車場》第二駐車場をご利用ください
正面Pは会場となり使えません
《雨 天》お堂にて

着物を着 お茶の野点 老舗の御膳
和楽器など古式日本文化を体感して
各パフォーマンス/マーケット
/ディスプレイとともに
SAKURAをご堪能ください
(もちろん普段着でもOK)

【問合せ】 光明寺 0285-23-2649 

小山市神鳥谷695

 

光明寺さんのFacebook

∽いにしえお花見会∽wa-marché◇茶野点×着物×和楽器×伝統パフォーマンス×割烹辰元御膳×kimonoてふてふ×銀の八角堂 より引用 

 

 光明寺さんでは、座禅会・写経会、書道教室・茶道教室を随時開催されています。座禅と写経は予約不要で、参加費もかかりません。ご住職は大変気さくな方で、お寺を地域の方に活用してほしいとおっしゃって、様々なイベントをされてるようです。誰にでも開かれた場所があると、その地域に暮らす方にとっては心のよりどころになりますよね。

 

5.県道33号線沿い(塩沢~間中付近)の桜並木 <サイクリング・ドライブ向き>

f:id:n_kotori:20190404173103j:plain

県道33号線沿い(塩沢~間中付近)の桜並木(2019年4月2日撮影)

最後も運営人・ことりの個人的おすすめスポットです。県道33号線沿いに(おそらく)ソメイヨシノが数百メートル続く桜のトンネルがあります。

駅からは少し距離があるので、サイクリングかドライブ向けの場所です。と言いますか、こちらは「県道を何気なく走っていると急に桜並木が表れる」という印象で、知らずに通った方が思わず見入ってしまう、出会えたら幸せな気持ちになる、そんな点で桜の魅力が詰まっているように感じます。

 

見頃の季節には、速度をゆるめて桜のトンネルを楽しんでいるドライバーの方々を目にします。自転車なら、2でご紹介したスポット・思川沿いの堤防(石ノ上橋と新間中橋の中間付近)からもすぐ近くなので、時期が合えば思川桜とこちらの桜を楽しむこともできますよ。

 

f:id:n_kotori:20190406001707j:plain

小山市宮本町にある須賀神社と桜の共演

 

以上5か所が、運営人・ことりがおすすめする、小山市の桜をめでるスポットです。

こちら以外にも市内には素敵な桜の名所がありますので、ぜひ市の公式ホームページなどからお気に入りの場所を見つけてみてくださいね。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。